【報告書】妙高戸隠連山国立公園火打山周辺におけるライチョウ生息地回復業務調査 報告書
皆様から頂いた入域料を活用し実施している「ライチョウ生息地回復事業」のご報告です。
簡単に事業内容をご説明します。
【課題】
ライチョウの生息地である火打山のライチョウ平において、地球温暖化の影響によりイネ科植物が多くなりライチョウのエサとなる植物が減ってきた。また、近年ライチョウがライチョウ平をあまり利用しなくなってきた。
【目的】
ライチョウ平の植物を昔の様子に回復させ、ライチョウが棲みやすい環境を作る。
【過去の調査】
イネ科植物を除去するとどのような植物が生えるか小さいエリアで調査した。調査の結果、イネ科植物を除去するとライチョウのエサとなる植物が増えた。
【事業内容】
ライチョウのエサを増やすため、2,400㎡(40m×60m)の事業区でイネ科除去を実施した。事業区を大きくしても調査のとおりライチョウのエサとなる植物がふえたことから、令和4年度からは2,400㎡のほかに1,200㎡(30m×40m)の事業区を追加してイネ科植物を除去した。
この事業の主な項目は、
・イネ科除去作業
・センサーカメラによるライチョウや哺乳類の出現状況の調査
・ライチョウを捕食する哺乳類の糞の調査(捕食の状況の調査)
・高山蝶の調査
です。
事業の結果、ライチョウ平はイネ科植物が減りライチョウのエサとなる植物が増えてきています。しかし、「ライチョウ平にライチョウが戻ってきてくれた」という結果は、今年観測できませんでした。
自然環境の変化は複雑ですぐには思うようにいきませんが、継続して活動していきます。
3日間延べ75人のご参加をいただいた皆様、本当にありがとうございました。